煙草が好きだ。
このご時世になっても、未だ思い出す度にプカリプカリと。
旨いと思っているのか否かも、今となっては曖昧なのだが、中々止めるのは難しそうだ。
店が暇だと、働きに来ているのか、煙草を吸いに来ているか、分からなくなってしまう。
割と早い時期から嗜みだしたのだが、大きな事故で一昔前からは、軽い煙草を愛飲している。
寝起きを覚ます時。
激しい運動の後。
例えば風呂上がり。
食事の後。
仕事の区切りごとに。
人との談笑の時。
お酒の席で。
帰宅途中の一服。
就寝前に振り返り。
気が付くと、実に様々なシーンで煙草が出てくる。
とある本で、全ての人類の行動目的は、優秀な精子獲得の為だというものを何年か前に読んだ。
女性は精子獲得の為、男性は精子放出の為。
その為の行動で、その為の人生。
少し極端だが、昆虫学や生物学と対比し、その仮説を実証していく例を眺めていくと、なるほどなあという感想を持つに至った。
この僕の煙草は何の役に立っているのか?
わからず、ただ吸っている。
煙草はこの5年程、キャスターの3㎜だ。
バニラ香が強いとお客様に言われるが、本人はまるで分かってない。
そのくせ、違う銘柄だと旨く感じないのだから、人間の趣向とは趣深い物だ。
今宵は煙草が切れそうだ。
開店前にバタバタし、買いそびれた。
煙草が切れると、ぎこちなくなる。
こう挙げていくと、完全に中毒者だ。
困った物だ。
煙草を吸う行為は、乳児が母の乳を飲む行為に近いとも言う。
30半ばがシタリ顔で、母の乳を忘れられず、渋い顔で煙草を吹かす。
人間は可愛い物だと、こういう時につくづく思う。
